DICTIONARY 用語集
あ行
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アンサンブル計算
予測計算の際に気候モデルに与える初期値や境界値(陸面や海面等)等のデータを確からしい様々な条件の下で計算させ、将来予測の不確実性の把握、低減を試みる手法。気候モデルの不確実性をカバーするため、複数のモデルの予測結果の平均等を用いることを、マルチモデルアンサンブルという。 -
親モデル
領域モデルに対して境界値を提供するモデルのこと。DS2022の領域気候モデルNHRCMの場合、MRI AGCMが親モデルにあたる。 -
温暖化レベル
産業革命以前と比較した全球地表気温の上昇量(例えば、1.5℃上昇、2℃上昇、4℃上昇等)。
か行
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海氷密接度
「氷に覆われている海面の占める割合。10分位法で表す。」
気象庁「海氷用語の説明」より引用
https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/seaice/knowledge/seaice_terminology.html -
河川計画
「河川を整備するために策定される計画.河川の治水,利水,環境を総合的にとらえ,河川の将来あるべき姿を想定し,河川整備のあり方を河川整備基本方針としてまとめ,基本方針に沿って30年程度の期間で実施すべき整備の具体的な内容を河川整備計画として策定する.河川整備計画は洪水防御計画(治水計画),利水計画(低水計画),河川環境保全計画などで構成される.」
コトバンク「河川計画とは」より引用
https://kotobank.jp/word/%E6%B2%B3%E5%B7%9D%E8%A8%88%E7%94%BB-825069
国土交通省の「河川事業の概要」もご覧下さい。
https://www.mlit.go.jp/river/kasen/ -
環境研究総合推進費S-8
環境省により平成22年度~平成26年度に実施された影響評価や適応に関する研究プロジェクト(温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究(S-8))。
https://www.nies.go.jp/s8_project/ -
環境研究総合推進費S-18
環境省により令和2年度~令和6年度にわたって実施されている影響評価や適応に関する研究プロジェクト(気候変動影響予測・適応評価の総合的研究(S-18))。
https://s-18ccap.jp/ -
気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)
文部科学省により平成27年度~令和元年度に実施された気候変動予測研究から影響評価、社会実装までを一気通貫に実施することを目的としたプログラム。
https://www.restec.or.jp/si-cat/ -
気候変動リスク情報創生プログラム(創生P)
文部科学省により平成24年度~平成28年度に実施された気候変動予測研究プログラム。
https://www.jamstec.go.jp/sousei/ -
気候モデル、全球モデル、領域モデル
大気、海洋、陸面等の挙動を物理法則に従ってプログラム上で表現したものは、一般に数値予報モデルと呼ばれる。数値予報モデルは日々の天気予報等でも用いられているものであるが、特に気候予測のために用いられるモデルを本書では気候モデルと呼ぶ。また本書では、気候モデルのうち、地球規模での計算をするものを全球モデル、日本域等の特定領域で計算するものを領域モデルと呼ぶ。 -
空間高解像度化
実際にはバイリニア補間によって気候モデルの格子から1kmメッシュ(全国標準地域メッシュ3次メッシュ)に空間内挿している。 -
混相雲
雲粒と氷晶が混在する雲のこと。 -
コンター
等値線のこと。
さ行
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自然変動
「自然変動には、地球の気候がもともと持つ変動する性質(年ごとの違いのほか、エルニーニョ・ラニーニャ現象といった数年の周期を持つものや、太平洋十年規模振動などの十年から数十年の周期を持つものが知られています)によるものと、火山活動や太陽活動の変化のような気候以外の自然の影響によるものがあります。」 気象庁「長期変動傾向(トレンド)の解説」より引用
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/trend.html
た行
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タイムスライス実験
現在から21世紀末等までにかけて、連続的に予測計算を行ったものではなく、特定の期間を対象に予測計算を行った将来予測実験のことをいう。 -
ダウンスケーリング
全球モデル等から得られる予測データから、より細かいスケールを解像できる水平解像度が数kmメッシュ程度の高解像度な予測データを得る手法。詳しくは「(2)力学的ダウンスケーリングと統計的ダウンスケーリングについて」を参照されたい。 -
超過確率、非超過確率
例えば、ある地点の年最大時間降水量の確率分布を考えた場合、その確率分布において、 Xmm/hourを超える確率を超過確率、超えない確率を非超過確率という。 -
統合的気候モデル高度化研究プログラム(統合P)
文部科学省により平成29年度~令和3年度に実施された気候変動予測研究プログラム。
https://www.jamstec.go.jp/tougou/
な行
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内部変動
自然変動のうち,「地球の気候がもともと持つ変動する性質(年ごとの違いのほか、エルニーニョ・ラニーニャ現象といった数年の周期を持つものや、太平洋十年規模振動などの十年から数十年の周期を持つものが知られています)によるもの」が内部変動である。
は行
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バイアス
系統的な誤差。気候モデルによる予測結果には、そのモデル特有のバイアスが含まれる。例えば、気候モデルによっては、日本列島の日本海側では冬季に多量の降雪があるが、その降雪量が現実よりも少なく表現される場合がある。 -
パラメタリゼーション
モデルの格子スケールよりも小さく解像できない現象の影響を、その格子の物理量を用いて表現すること。
ら行
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連続実験
現在から21世紀末等までにかけて、連続的に予測計算を行ったものをいう。
英数行
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ACCESS-CM2
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)やオーストラリア気候変動研究センター(ARCCSS)、オーストラリア気象局(BoM)により開発された気候モデル。 -
CMIP
結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP)は、世界気候研究計画(WCRP)が進める気候モデルの国際比較プロジェクトである。 IPCCにより作成される評価報告書(AR)のサイクルと連動しており、第5次評価報告書(AR5)では第5期(CMIP5)、 第6次評価報告書(AR6)では第6期(CMIP6)の気候予測データが評価に主に用いられた。 詳しくは、「(5)CMIP5とCMIP6の関係性(AR5とAR6、コアシナリオ等)」を参照されたい。 -
CSIRO-Mk-3-6
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)により開発された気候モデル -
ESGF
Earth System Grid Federation(ESGF)は、CMIPデータの収集・配信等を目的とするデータプラットフォーム。日本では、データ統合・解析システム(DIAS)がデータノードの一角として参画している。 -
F-Nカーブ
「Fは頻度(frequency),Nは犠牲者数(number of fatalities)を表す.すなわち,F-N曲線は,犠牲者n人以上が発生する当該ハザードの発生確率を表したもの」本城,2014:"信頼性:リスク評価と意思決定",コンクリート工学,52(9),821-826.より引用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/coj/52/9/52_821/_pdf -
GFDL-CM3
米国海洋大気庁地球物理流体力学研究所(NOAA/GFDL)により開発された気候モデル。 -
HadGEM2-ES
英国気象局ハドレーセンターにより開発された気候モデル。 -
HighResMIP
CMIP6を構成する実験群の一つで、高解像度モデル比較プロジェクト(HighResMIP)のこと。 -
IPCC
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織。 IPCCの目的は、各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることである。 世界中の科学者の協力の下、出版された文献(科学誌に掲載された論文等)に基づいて定期的に報告書を作成し、気候変動に関する最新の科学的知見の評価を提供している。 -
IPSL-CM6A-LR
ピエール・シモン・ラプラス研究所気候モデルセンター(フランス)により開発された気候モデル。 -
JODC
海上保安庁海洋情報部日本海洋データセンターのこと -
MPI-ESM1-2-HR
マックスプランク研究所(ドイツ)により開発された気候モデル。 -
MIROC5
東京大学、国立環境研究所、海洋研究開発機構の共同により開発された気候モデル。 -
MRI-AGCM3.2
気象庁気象研究所により開発された気候モデル(大気モデル)。 -
MRI-CGCM3
気象庁気象研究所により開発された気候モデル(大気と海洋を結合して計算する大気海洋結合モデル。 海洋と結合させていないモデルが、大気モデルのMRI-AGCM)。 -
MRI-ESM2.0
気象庁気象研究所により開発された気候モデル(地球システムモデル)。 -
SSP
IPCC第6次評価報告書に向けて作られた社会経済シナリオが共通社会経済経路(Shared Socioeconomic Pathways, SSP)である。詳しくは、「(5)CMIP5とCMIP6の関係性(AR5とAR6、コアシナリオ等)」を参照されたい。 -
SRESシナリオ
IPCC 第 4 次評価報告書で採用された温室効果ガス排出シナリオで、IPCCの「排出シナリオに関する特別報告書( SRES : Special Report on Emissions Scenarios)」により2000年に発表された。SRESシナリオでは、将来の社会経済像がA1 シナリオ(高成長型社会シナリオ)、A2シナリオ(多元化社会シナリオ)、B1シナリオ(持続発展型社会シナリオ)、B2 シナリオ(地域共存型社会シナリオ)に分類された。A1シナリオはA1FI(化石エネルギー源を重視)、A1T(非化石エネルギー源を重視)、A1B(各エネルギー源のバランスを重視)にさらに細分化されている。 -
RCP
IPCC第5次評価報告書で採用された温室効果ガス排出シナリオが代表的濃度経路(Representative Concentration Pathways, RCP)である。詳しくは、「(5)CMIP5とCMIP6の関係性(AR5とAR6、コアシナリオ等)」を参照されたい。 -
WOA13 V2
米国NOAAが収集した海洋観測データをもとに編集しているthe World Ocean Database に基づいて作成された the World Ocean Atlas の2013年版のVersion2のこと