気候、土地利用、人口の変化が引き起こす新たな健康リスクの予測モデル構築とその検証に関する研究基盤形成
※本プログラムは、2015年度末をもって終了しました。
概要
本研究は、国際保健の視点からアジアの発展途上国を対象に、DIASが提供するこれら多様でかつ最新の科学技術・モデルによって構築された地球環境データの活用と、フィールドワーク調査を併用することで、これまでの保健学の研究では解析が不可能であった公衆衛生に関わる事案を分析することを目指しています。
アジアの発展途上国は、近年の急速な経済発展に伴い、大きな環境の変化に直面しています。気候変動に伴う暑熱曝露や大気汚染の増加、洪水リスクの増大、或いは土地利用や人口の急激な変化などに伴い、健康問題の顕在化が進んでいます。しかし一方で、途上国ではデータの収集基盤が未熟で、かつデータが存在したとしてもアクセスするまでが容易ではないケースが多いのが現状です。
このような状況を打開する一つの新しい有力な方法として、DIASのように地球環境や人、および健康に関する様々なデータを蓄積し、効率的な利用を可能にするシステムが構築され、保健学の分析に用いる試みが開始されました。こうした研究は世界的に見ても未だに例が少ないといえます。
当事業の具体的な研究テーマは、気候変動や社会的な変化(土地利用や人口の変化)によって引き起こされる新たな健康リスクの予測モデルの構築、およびその検証であり、さらにそれらの研究成果を基にした公衆衛生改善の方策の模索です。特に、下記の二つの条件を満たす環境保健課題を対象に研究を行っています。
- 局所的に発生している問題だがインパクトが大きく、かつ多地域で観察される
- 従来の生物医学・公衆衛生学的アプローチでは解決が困難
実施期間 | 2011年 - 2015年 |
代表研究者 | 東京大学 医学系研究科人類生態学分野 渡辺知保 |
URL | http://grene-health.com/ |