データ統合・解析システム(DIAS)におけるDOI付与の開始~地球環境データへのアクセス向上によりデータの公開と利活用を推進~

リモート・センシング技術センターでは、文部科学省の委託事業である「地球環境情報プラットフォーム構築推進プログラム」において、関係機関とともに開発・運用を行っているデータ統合・解析システム(DIAS: Data Integration and Analysis System)※1で公開するデータを対象に、デジタルオブジェクト識別子(DOI)※2の付与を開始しましたのでお知らせいたします。

DOIは、学術論文や研究データなど様々な学術情報への永続的なアクセスを支援する仕組みとして、世界的に利用が拡大しています。DOIを利用することにより、学術論文等の根拠となるデータへのアクセスが容易になるとともに、データの利用状況を把握することが可能となります。我が国における地球環境情報の中核的なプラットフォームとして確立してきたDIASは、今回のDOI付与を通して研究者や研究機関によるデータ公開へのインセンティブを強化し、データ利活用を促進するなど、地球環境情報分野におけるオープンサイエンスの推進に貢献します。

なお、DIASにおけるDOI登録第一号として公開するのは、チベット高原の気象データ※3であり、このデータ公開によりアジア・モンスーン地域における水・エネルギー循環の定量的評価や、大気加熱メカニズムの解明に向けた研究への活用が今後さらに拡大することが期待されます。

地球環境情報プラットフォーム構築機関※4では、今後も地球環境分野において価値が高いデータをDIASへ登録をしていくとともに、登録データへのDOI付与を積極的に進めることにより、データ利活用の促進に向けたDIASのシステム構築を推進していきます。

参考

※1 「データ統合・解析システム(DIAS)」について
DIASは、文部科学省の委託事業として開発が進められてきたプラットフォームであり、地球観測衛星や陸域・海洋観測によって得られる地球観測データ、気候変動予測データ、社会経済データなどを統合・解析し、新たに有用な情報を創出することが可能な情報基盤です。平成28年度からは、企業も含めた国内外の多くのユーザーが長期的、安定的に利用できるように運営体制を整備をするとともに、防災、エネルギー、農業等、様々な分野の社会的課題を解決する共通基盤技術として、高度化を推進しています。

※2 デジタルオブジェクト識別子(DOI:Digital Object Identifier)について
DOIは、国際DOI財団 (The International DOI Foundation)が運営する世界的な識別子システムです。我が国では国内学術機関の4機関(科学技術振興機構(JST)、物質・材料研究機構(NIMS)、国立情報学研究所(NII)、国立国会図書館(NDL))が共同運営するジャパンリンクセンター(JaLC)が研究データに対するDOI付与の中心的な役割を果たしています。

※3 登録第一号データについて
アジアモンスーン地域における水・エネルギー循環の解明を目的に実施された大規模な観測実験プロジェクト「アジアモンスーン・エネルギー・水循環観測計画(GAME:GEWEX Asian Monsoon Experiment)」において観測されたチベット高原のデータが蓄積されています。

※4 地球環境情報プラットフォーム構築機関について
地球環境情報プラットフォーム構築機関は、文部科学省委託事業の「地球環境情報プラットフォーム構築推進プログラム」において、DIASの運用と高度化のための開発等を実施する役割を担う機関であり、リモート・センシング技術センター(代表機関)、東京大学、京都大学、名古屋大学、国立情報学研究所が採択されました。

以上

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