2019年8月4日

DIASコミュニティフォーラム2019開催報告

 

3月1日(金)、東京大学生産技術研究所コンベンションホールにおいて、「DIASコミュニティフォーラム2019」を開催しました。当日は地球環境データを扱う研究機関やデータ活用をお考えの民間企業の皆さまを中心に142名のご参加をいただき、より発展的なDIAS活用について議論を行いました。

開催要旨

日時:2019年3月1日(金)13:00 – 18:00
会場:東京大学 生産技術研究所 コンベンションホール

 

結果概要

前半セッションでは、DIASのご紹介として、DIASに格納されているデータと実用例の紹介を(一財)リモート・センシング技術センター 永野嗣人課長代理よりお話しし、続いてDIASに収録されているデータの一例として、名古屋大学 宇宙地球環境研究所 坪木和久教授にご登壇いただき、気象データ「CReSS」について、東京大学 大気海洋研究所 木本昌秀教授にご登壇いただき、気候変動データ「d4PDF」についてご講演いただきました。

DIASコミュニティフォーラム2019

左)名古屋大学 宇宙地球環境研究所 坪木和久教授 右)東京大学大気海洋研究所 木本昌秀教授


 
「利用アイデア創出ワークショップ」では、まずDIASに関連するプラットフォーム事業者の皆様、実際に活用いただいている自治体の皆様にご登壇いただき、ライトニングトークが行われました。その後、ライトニングトークでのインプットをうけて6つのテーブルに分かれ、DIASの利用アイデア検討が行われました。

(1)関連プラットフォーム事業からのインプット(ライトニングトーク)

  • 内閣官房IT室 平本 健二 政府CIO上席補佐官
  • 分野間データ連携基盤(SIP)株式会社日立製作所 甲斐隆嗣 様
  • 衛星データプラットフォーム「Tellus」 さくらインターネット株式会社 牟田梓 様
  • 府省庁連携防災情報共有システム. 「SIP4D」防災科学技術研究所 花島誠人 様
  • 気候変動適応情報プラットフォーム「A-PLAT」 国立環境研究所気候変動適応センター気候変動適応戦略研究室 岡和孝 様

(2)自治体ニーズのインプット(ライトニングトーク)

  • 気候変動適応技術社会実装プログラム「SI-CAT」(鳥取県での取り組み) 筑波大学 システム情報系 構造エネルギー工学域 武若聡 教授
  • 埼玉県 環境科学国際センター 原政之 様
  • 長野県 環境保全研究所 浜田崇 様

DIASコミュニティフォーラム2019

ワークショップにおける各グループでの議論の様子


 
ワークショップでは各グループ6~7人で活発な議論が交わされ、1時間の討議を経た発表タイムでは、たいへんユニークかつ多様なアイデアが発表されました。

Aグループ

防災用途での使用、避難リードタイム確保のための複合的なデータ可視化と予測。避難活動の迅速化のために現場オペレーションに反映させる、住民へ直接予測データが提供されるなどのアイデアが出されました。

Bグループ

災害復興をテーマに、スマホベースでデータを共有するアイデア。欲しいデータとして、高齢者や一人暮らし世帯の情報、医療施設の場所やボランティア情報などが挙がりました。

Cグループ

サプライチェーンにおけるデータの可視化とリスク管理をテーマに、民間メーカーなどにおけるサービス全体のリスクの見える化とモニタリング用途への活用アイデアが出されました。

Dグループ

農業に着目した気候リスク情報の提供というテーマから、自治体向けに新規就農者へのアピールや長期予報を活かした農業生産調整などへ活用する案が出されました。

Eグループ

DIAS活用のための「市場」になる場所のイメージから、ワンストップ相談ができる窓口や、データの相関が可視化できるアプリケーション、DIASに関する質問・回答が集まるQ&Aサービスなどのアイデアが挙げられました。

Fグループ

各分野少数精鋭のチームを設け、非専門家向けに、データの前処理・解析・結果の解釈までの一連の工程をサポートしてくれるサービスというアイデアが出されました。

DIASコミュニティフォーラム2019

ワークショップにおける各グループでの議論の様子


 
その後のポスターセッションも含め踏み込んだ議論が行われ、示唆に富んだご意見やご質問が多く寄せられ、活気にあふれるフォーラムとなりました。

 

プログラム

13:00-14:45  DIASのご紹介
  • DIASに格納されているデータと実用例の紹介
  • DIASに格納されている気象データ1例(CReSS*1)の説明 名古屋大学 坪木教授
  • DIASに格納されている気候変動データ1例(d4PDF*2)の説明 東京大学 木本教授

*1 Cloud Resolving Storm Simulator (CReSS)
雲解像領域気象モデル
http://diasjp.net/wpr/wp-content/uploads/2018/04/DIASForum2018_Kato.pdf

*2 Database for Policy Decision making for Future climate change (d4PDF)
地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース
http://www.miroc-gcm.jp/~pub/d4PDF/

15:00-17:00  利用アイデア創出ワークショップ

1. 関連プラットフォーム事業からのインプット(ライトニングトーク)

  • 内閣官房IT室
  • 分野間データ連携基盤(SIP
  • 衛星データプラットフォーム「Tellus」/さくらインターネット株式会社
  • 府省庁連携防災情報共有システム「SIP4D」
  • 気候変動適応情報プラットフォーム「A-PLAT」

2. 自治体ニーズのインプット(ライトニングトーク)

  • 気候変動適応技術社会実装プログラム「SI-CAT」(鳥取県での取り組み)
  • 埼玉県 環境科学国際センター
  • 長野県 環境保全研究所

3. 各チーム検討
4. 各チーム発表

17:15-18:00  ポスターセッション(参加者交流会)