2018年9月30日

DIASシンポジウム2018開催報告


2018年8月31日、一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC) コンファレンスルーム1にて、「地球環境データ・アプリケーション事業推進に向けて」と題し、DIASシンポジウム2018を開催しました。ご来場いただいた皆様に支えられ、盛況のうちに終了することができました。

開催要旨

日時: 2018年8月31日(金)13:30~18:30
場所: 一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC) コンファレンスルーム1
参加者: 183名(民間企業、関係府省、研究機関、大学、報道機関等)


結果概要

冒頭、大山真未 文部科学省大臣官房審議官より開会挨拶があり、本シンポジウムが、様々な分野におけるDIAS活用の可能性を見出す機会となるとともに、DIASが科学技術によるSDGs達成に重要な役割を果たす存在として、民間企業が利用しやすい運営体制・システムへ発展するよう今後の期待を述べられました。

DIASシンポジウム2018

左)会場風景 右)大山真未 文部科学省大臣官房審議官


 
基調講演では、池内幸司 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 教授(東京大学地球観測データ統融合連携研究機構長)より、「激甚化する水害と防災・減災対策におけるDIASの活用」と題して、水害への防災・減災対策でのDIASデータ・アプリケーション活用実験の紹介と、将来的な活躍への期待についてご講演いただきました。

続いて、井上準二 リモート・センシング技術センター常務理事より、「DIASの全体概要及びビジネス展開に向けた今後の方向性」と題して、DIASのこれまでの歩みとSDGs達成への貢献、利用拡大に向けた取り組みと今後の方向性について報告いたしました。

DIASシンポジウム2018

左)池内幸司 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 教授/東京大学地球観測データ統融合連携研究機構長 右)井上準二 リモート・センシング技術センター常務理事

 
続いて、「DIASアプリケーションの開発と活用への期待 –SDGsへの貢献-」パートでは、6つの講演が行われました。
まず「水課題アプリケーション開発」と題して、小池 俊雄 国立研究開発法人 土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター (ICHARM) センター長にご講演いただき、SDGs達成に向けた、データとコミュニティにおける分野間連携の重要性と、水災害の発生から復興までのメカニズム、早期復興への課題とDIASの役割についてお話しいただきました。

次に、「リアルタイム浸水予測システム(S-uiPS)の実用化」と題して、関根正人 早稲田大学理工学術院教授にご講演いただき、豪雨時に発生する都市浸水の予測手法について、そのメカニズムとフィージビリティスタディの様子をご説明いただきました。

DIASシンポジウム2018

左)小池俊雄 国立研究開発法人 土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター (ICHARM) センター長 右)関根正人 早稲田大学理工学術院教授


 
続いて「DIASを使ったマラリア流行早期警戒システム」と題して、皆川昇 長崎大学熱帯医学研究所 病害動物学分野教授に講演いただきました。DIASを用いた気候変動の予測を活用したマラリア対策の取り組みと、その展望についてお話しいただきました。

講演「SDGsの優先課題とDIASへの期待(仮題)」では、松尾隆 アジア開発銀行駐日代表より、アジア開発銀行のミッションとSDGsとのつながりをお話しいただき、データに基づく意思決定の重要性をお話しいただきました。

DIASコミュニティフォーラム2018

左)皆川昇 長崎大学熱帯医学研究所病害動物学分野教授 右)松尾隆 アジア開発銀行駐日代表


 
続いて「地方自治体における気候変動適応の取組と課題~長野県の事例~」と題して、浜田崇様(長野県環境保全研究所 自然環境部 温暖化対策班)に登壇いただき、長野県での気候変動適応対策の紹介と、ユーザーの視点からDIASに期待することをお話しいただきました。

講演「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備事業「Tellus」について」では、上田晋司 さくらインターネット株式会社 執行役員より、「Tellus」の概要と、衛星データと他データとの掛け合わせによる、データの民間活用活性化施策についてご説明いただきました。

DIASコミュニティフォーラム2018

左)浜田崇 様 長野県環境保全研究所自然環境部温暖化対策班 右)上田晋司 さくらインターネット株式会社執行役員


 
最後に、本郷尚 三井物産戦略研究所シニア研究フェロー(DIASプロジェクトマネジャー)をモデレーターに、当日の登壇者全員をまじえたパネルディスカッションを行い、SDGsの有機的なつながりと、多様なパートナーとの連携によってDIASが果たすべき役割と課題について討議されました。

DIASコミュニティフォーラム2018

左)本郷尚 DIASプロジェクトマネージャ 右)パネルディスカッションの様子


 
パネルディスカッション後のポスター展示では、来場者とDIAS関係者との意見交換が行われました。


プログラム

13:30 - 13:35
オープニング
大山真未 文部科学省 大臣官房審議官(研究開発局担当)
13:35 - 13:55
基調講演
池内幸司激甚化する水害と防災・減災対策におけるDIASの活用
池内 幸司 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 教授、東京大学地球観測データ統融合連携研究機構長
1982年東京⼤学⼤学院⼯学系研究科修⼠課程修了後、建設省に⼊省。内閣府(防災担当)参事官、国⼟交通省河川計画課⻑、近畿地⽅整備局⻑、⽔管理・国⼟保全局⻑、技監、国⼟交通省顧問などを経て2016年10⽉より現職。京都⼤学客員教授、神戸大学客員教授、筑波⼤学客員教授、⽇本⼤学客員教授、東京⼯業⼤学⾮常勤講師、中央⼤学兼任講師などを歴任。専⾨分野は、⽔害等の⾃然災害に対する防災・減災対策、良好な河川環境の保全・復元、⽼朽化が進むインフラの戦略的な維持管理・更新など。博⼠(⼯学)(東京⼤学)、技術⼠(総合技術監理部⾨、建設部⾨)
13:55 - 14:10 DIASの全体概要及びビジネス展開に向けた今後の方向性
井上 準二(一財)リモート・センシング技術センター 常務理事
1974年、三菱商事入社。宇宙事業開発(観測・通信衛星)を担当。1993年、MIC Palo Alto事務所長。MC Silicon Vally社長兼務。1997年、三菱商事情報産業総括部長。2000年、MIC NY上級副社長。2003年より2011年まで、三菱商事執行役員、アイ・ティ・フロンティア社長、同会長等を歴任。現在、リモート・センシング技術センター常務理事。東京大学工学部卒。
14:10 - 16:30DIASアプリケーションの開発と活用への期待 – SDGsへの貢献

小池俊雄小池 俊雄 国立研究開発法人 土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター (ICHARM) センター長
ICHARMセンター長、東京大学名誉教授、日本学術会議会員。社会整備審議会河川分科会会長、日本学術会議の防災関連委員会委員長等を兼任。専門は河川工学、水循環の科学、環境心理学。DIASの開発を主導するとともに、河川流域規模から地球規模の水循環の観測や予測研究を進める傍ら、合意形成を目的とした環境評価や行動に関する心理プロセスの研究を基に河川事業に関わる合意形成の実務に貢献。IPCC2007年ノーベル平和賞受賞貢献感謝状(2007)、中国科学院アインシュタイン教授賞(2009)、2010年日本水大賞国際貢献賞(2010)、水文・水資源学会学術賞(2015)等を受賞。
関根 正人関根 正人 早稲田大学理工学術院教授
1988年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了。工学博士。国土交通省社会資本整備審議会委員などを歴任。専門は河川工学・都市水防災工学。東京都23区を対象とした精緻な都市浸水予測手法を開発し、数値計算を通じて23区内の浸水リスクならびに浸水プロセスを解明。現在、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに「リアルタイム浸水予測システム」を社会実装することを目指して研究を継続中。
 皆川昇 長崎大学熱帯医学研究所 病害動物学分野教授
ウエスタンワシントン大学(生物学:BS, MS)、ワシントン大学(米国シアトル:生態学:PhD)。 ケニアにある国際昆虫生理生態学センター、ニューヨーク州立大学、佐賀大学を通して、主にアフリカでマラリア媒介蚊の研究を行ってきた。 現在、ケニア、ビクトリア湖畔のフィールドでマラリアをなくすために考え、学び、行動中。 専門分野:生態学、生物地理学など。
 SDGsの優先課題とDIASへの期待(仮題)
松尾隆 アジア開発銀行 駐日代表
2016年8月より現職にてアジア開発銀行(ADB)とアジア・太平洋地域の知識・情報の日本への発信、政府機関、民間企業、市民団体、学術機関等との情報交換や連絡調整、官民からの資金調達や協調融資を促進する役割を担う。1993年8月ADBに入行以来一貫して開発プロジェクトの組成、融資、運営に携わる。前職は南アジア局環境・自然資源・農業課長。ADB入行以前は日本工営(株)に勤務し途上国開発プロジェクトに従事。東京大学農学部農業経済学科、コーネル大学大学院修士課程(農業経済学専攻)卒業。1959年生まれ。
 政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備事業「Tellus」について
上田晋司 さくらインターネット株式会社 執行役員
1996年、慶応義塾大学経済学部卒、日商岩井(現双日)入社。消費財、メディア、情報産業事業に従事。Nissho Electronics USA, Director、双日米国会社・シリコンバレーオフィス代表、NTTデータ3C(現NTTデータ スマートソーシング)取締役、双日・情報産業課課長などを経て、2018年より現職。
 浜田崇 長野県環境保全研究所 自然環境部 温暖化対策班
東京都立大学理学研究科地理学専攻博士課程単位取得退学後、1996年4月より現職。専門は気候学、特に都市のヒートアイランド現象に及ぼす都市内緑地や山風による気候の緩和効果に関する研究を中心的に行ってきた。現在は、長野県における気候変動の実態把握を目指し、特に、山岳域における気象観測とライブカメラ画像による残雪域の変化に関するモニタリングを行っている。
16:30 - 17:30
パネルディスカッション
登壇者を迎えてのパネルディスカッション
モデレータ:
本郷尚(株)三井物産戦略研究所 シニア研究フェロー(DIASプロジェクトマネジャー)
17:30 - 17:35
クロージング
 本郷 尚(株)三井物産戦略研究所 シニア研究フェロー(DIASプロジェクトマネジャー)
国際排出量取引協会理事、ICAO市場メカニズムタスクフォース委員、GLOBE Japanアドバイザーなど。日経産業新聞「Eの新話」連載(2010年~)、Managing the Transition to Low Carbon Economy(共著)など。元国際協力銀行特命審議役。
- 18:30ポスター展示