2015年10月25日

DIASフォーラム&ワークショップ「ビッグデータが拓く持続可能で活力ある社会」開催報告

2015年10月25日(日)、「ビッグデータが拓く持続可能で活力ある社会」と題し、第5回DIAS-GRENE-ei環境情報統融合フォーラムとワークショップを開催しました。今日、災害、気候、エネルギー、水、食糧、健康、都市、生態系など現代社会の様々な分野の問題解決に向けた取り組みが求められています。安全・安心で活力がある持続的な社会づくりのための一つの道筋は、超大容量で極めて多様なデータ(ビッグデータ)を科学・技術の分野を超えて活用して統合的な科学の知を形成し、それを社会と共有して合意の形成や協働を支援することです。本フォーラムには200名以上の参加者が集い、ビッグデータの公共、ビジネス、研究面での効果的な利用による持続可能で活力ある社会実現について、多方面の専門家による議論が行われました。

パネルディスカッションでは、科学技術イノベーションの政策の観点から、ガバナンスやデータに関する社会的需要や人材育成についてさまざまな意見が交わされました。また防災・減災の観点では、気候変動適応のためのビジネス展開が大きな可能性を秘めていること、また日本が持っている経験値を活かしてデータや情報を社会的リスクと結び付けられれば展開の可能性が広がる、などの意見が出されました。

DIASフォーラム

左)内閣府総合科学技術・イノベーション会議・有識者議員 原山優子氏、右)パネルディスカッションの様子

 

日時:2015年10月25日(日)10:00 – 12:40
場所:東京大学医学部鉄門記念講堂(本郷キャンパス医学部教育研究棟14階)地図
詳細:プログラムダウンロード (PDF)

以下より発表資料をダウンロードいただけます。

プログラム
9:30 - 10:00受付
10:00 - 10:10開式挨拶
文部科学省 大臣官房審議官(研究開発局担当) 森晃憲氏
東京大学 理事、副学長 保立和夫氏
10:10 -10:30ビッグデータを蓄積して活用する-DIASとGRENE-ei紹介に代えて-
1) ビッグデータ:科学的深化、商業的価値を越え、社会価値創造の時代へ
国立情報学研究所 所長/東京大学EDITORIA 教授 喜連川優 
資料ダウンロード (PDF)
2) 空間情報を媒介とした分野間連携・データ統合による新たな価値の実現
東京大学空間情報科学研究センター/EDITORIA 教授 柴崎亮介
資料ダウンロード(PDF)
10:30 - 10:50基調講演「ビッグデータ-科学技術イノベーション政策の視点から」
内閣府総合科学技術・イノベーション会議・有識者議員 原山優子氏
資料ダウンロード (PDF)
10:50 - 11:05特別講演1「気候変動を踏まえた防災・減災の新たな展開」
国土交通省 技監 池内幸司氏
資料ダウンロード (PDF)
11:05 - 11:20特別講演 2「新たなビジネス展開を支えるビッグデータ」
株式会社三菱総合研究所 科学・安全政策研究本部 本部長 関根秀真氏
資料ダウンロード (PDF)
11:20 - 11:30休憩
11:30 - 12:30パネルディスカッション「ビッグデータが拓く持続可能で活力ある社会」
ディスカッションポイント(PDF)
原山優子氏、池内幸司氏、関根秀真氏、喜連川優、柴崎亮介
海洋研究開発機構地球情報基盤センター センター長 高橋桂子
東京大学医学系研究科/EDITORIA 教授 渡辺知保
東京大学総合文化研究科/EDITORIA 教授 伊藤元己
東京大学大気海洋研究所/EDITORIA 准教授 今須良一
モデレータ:東京大学工学系研究科/EDITORIA 教授、ICHARMセンター長 小池俊雄
12:30 - 12:40閉会挨拶
国立研究開発法人海洋研究開発機構 理事 堀田平氏

第3回DIAS利用ワークショップ – 使ってみようDIAS

DIASは「ビッグデータが拓く持続可能で活力ある社会」の実現を支えるデータ基盤です。今回のDIAS利用ワークショップでは、第1部「あなたが使える DIAS を目指して」においてDIASの利用例の紹介を行い、第2部「DIAS に触れてみよう」では、3会場に分かれて、実際に DIASの機能を体験していただきました。

日時:2015年10月25日(日)14:00 – 17:40
場所:東京大学工学部1号館15号教室 地図
詳細:プログラムダウンロード (PDF)

プログラム
13:30 - 14:00受付
14:00 - 15:30 第1部 - あなたが使えるDIASを目指して:全体セッション
会場:東大本郷キャンパス工学部1号館15号教室
1. DIASへのご招待
14:00 - 14:40DIAS入門
東京大学工学系研究科/EDITORIA、ICHARM 小池俊雄
資料ダウンロード (PDF)
DIASはこう使う!                
海洋研究開発機構 西村一
資料ダウンロード (PDF)
リアルタイムデータが社会を変える:ひまわり 8 号と X レインの利用
東京大学生産技術研究所 根本利弘、生駒栄司
資料1ダウンロード | 資料2ダウンロード (PDF)
2. DIASが切り拓く豊かな未来像 - 事例紹介
14:40 - 15:25事例1:豊かな地域実現のための合意形成 (PDF)   
東京大学工学系研究科 川崎昭如、東京大学生産技術研究所 安川雅紀
資料ダウンロード (PDF)
地域の環境問題解決のために、多分野の研究者の連携を促すとともに、市民の知恵を集約することによる合意形成を目指した取り組みを紹介します。具体的には、流域−都市−健康−生物多様性の分野間連携による自治体政策決定者の支援を目的としたプロトタイプシステムの開発と、生物に関するシチズン・サイエンス支援システムを紹介します。

事例2:高品質農業への情報技術的アプローチ      
農業・食品産業技術総合研究機構 木浦卓治
資料ダウンロード (PDF)
DIASにある気象予測データ・開発されたダウンスケール手法・作物生育モデル・作物品質モデルなどを組み合わせて計算することで、どこでどの品種が高品質に生産することができるかを予測できる可能性があります。

事例3:Planetary Healthに向けての環境情報の活用       
立命館大学 安本晋也
資料ダウンロード (PDF)
人の健康や社会の発展は豊かでかつ適正に管理された自然環境によって支えられるという概念をPlanetary healthといいます。DIASによって提供されるリモートセンシングデータや人の流れデータ、健康イベントデータ等を組み合わせることによって、Planetary healthに貢献しうる研究としてどのようなものが考えられるか、その事例や可能性について紹介します。
15:25 - 15:40休憩・準備
15:40 - 17:40第2部 - DIASに触れてみよう! 分科会セッション
会場:同工学部1号館13,14,17号教室
1) 地球温暖化モデルデータの利用法
資料ダウンロード (PDF)
担当:東京大学河川研究室(小池)
会場:13号教室
定員:30名
DIASに格納されているIPCC第5次評価報告で使われたすべての気候変動予測モデル出力から、あなたの街の雨の降り方の変化を調べてみましょう。

2) メタデータ入力キャンプ
資料1:DIASメタデータ管理システム利用マニュアル 2014年6月10日版 (PDF)
資料2:DIASメタデータ入力キャンプへようこそ 2016年1月6日改訂版 (PDF)
資料3:DIASメタデータの利用 当日配布版 (PDF)
担当:京大・東大メタデータグループ(吉川)
会場:14号教室
定員:15名
データを検索し、そのデータの内容や使い方を理解するためメタデータを、DIASを使って実際に入力してみましょう。問い合わせは、京大・東大メタデータグループ中原(nakahara.yoko@i.kyoto-u.ac.jp)まで

3) 都市・人間活動情報を使ってみよう
資料ダウンロード (PDF)
担当:柴崎研究室
会場:17号教室
定員:50名
DIASプロジェクトでは、高精細でありながら全国をカバーするような都市・国土データ、人々の分布や流動に関するデータが開発されてきました。さらに、他の人・車両の移動データや企業の取引活動等に関するデータを重ね合わせて使っていこうという動きが出ていますし、海外での利用検討例も増えています。実際のデータを見ていただきながら、またビッグな地理空間データの利用を開拓している専門家と議論をしながら、公共分野(国土管理、交通、防災、インフラ管理、マーケティングなどの分野でのビッグデータ利活用について、一緒に考えましょう。
プログラム:
15:40-15:50 イントロダクション
15:50-16:00 人の流れデータの紹介
16:00-16:10 マイクロジオデータの紹介
16:10-16:20 世界都市マッピングデータの紹介
16:20-17:40 専門家と一緒に利活用アイディアを考えるブレーンストーミング・セッション

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